FIREの5つの種類まとめ【ファット・リーン・コースト・サイド・バリスタ】

セミリタイヤやFIREを目指して資産形成をしている方も多いのではないでしょうか。
その中でどのくらいの資産を目指すのかは人それぞれですが、今の様々あるFIREの中でもどのような種類があるのかまとめましたので、自分に合うFIREの形を見つけていただきたいと思います。

この記事は、FIREの種類について書いています。
約20分(4000字)で読むことができます。

昔は、「早期退職」と言われたり「セミリタイア」と言われたり、あまりメジャーではない考え方でしたが、最近ではFIREという言葉が流行り世の中で多くの方が知っている一般的な言葉になってきたのではないでしょうか。
そのFIREも、今ではいろいろな種類が生まれました。

知識をアップデートして、自分に合うFIREの形を見つけてもらえるきっかけにしてください。

FIREとは

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、アメリカから全世界に広まったライフスタイルの一つです。経済的自立と早期退職を資産から得られる十分な不労所得で達成できます。

生活費を不労所得から賄えば、労働から解放され経済的に自立できることを目的としています。

基本的には、生まれながらに莫大な資産を保有して生活するのに十分な不労所得を得ている人は少数ですので、多くの方は、節約と貯蓄・投資を行うことで、将来の労働期間を減らしていこうとしています。FIREを達成することで、お金からの束縛から解放され、お金のための労働をしなくてもよくなります。

そんなFIREの考え方ですが、ゴールの置き方によってさまざまなFIREの種類があります。
今回は、そんなFIREの中で大きく5つの分類についてまとめました。

FIREの種類【5つ】

ファットFIRE

皆さんがまず思い浮かべるFIREの形が「ファットFIRE」だと思います。
ファット（fat：太った、裕福な）の言葉通り、資産からの不労所得だけで豊かな暮らしに必要な出費を補える状態を言います。主に富裕層が、それ以上働かなくても生活を優雅に送ることができる生活であり、その分多くの資産が必要なため、長い節約生活や事業での成功がないと達成することは難しいと思います。

今までの生活水準を落とすことなく、労働の必要性から解放されるため、「早期退職」に近い考え方ですね。

十分な資産所得から、生活費やその他必要な娯楽費までを全て補うことができるため、皆さんがあこがれるFIREの形ではありますが、それだけ多くの資産が必要になってくることから、FIRE達成までの期間が長くかかってしまいます。また、資産形成のゴールが分かりにくくなり、老後に使い切れないくらいの資産を持て余すことになってしまうのもこのようなパターンであると思います。

例えば、50歳代の平均年収である約600万円を資産所得（4%ルール）で賄おうとすると、1.5億円が必要になってきます。

1.5億円を一般的な株式運用（5%複利）として貯蓄するもので計算すると
　毎月20万円投資で、32年
　毎月30万円投資で、25年
の投資期間が必要となります。

とても、Retire Early：早期退職とは言えないですね。夢は大きいが、達成までの資金力と期間を考えるとかなり実現性の厳しい方法なのではないでしょうか。

リーンFIRE

そこで、「ファットFIRE」の対で考えられるようになったのが、「リーンFIRE」です。
リーン（lean：痩せた、無駄のない）を示すように、最低限の生活をできるようにするFIREを言います。

豊かな暮らしを資産所得で補う「ファットFIRE」とは違い、FIRE後も倹約な暮らしを続けていくことを前提に資産額を落とせるのが「リーンFIRE」の特徴です。

無駄のない生活から、必要な資産所得（不労所得）が少なくても済むため、FIRE達成までの資産額を少なくすることができます。

例えば、
30歳代である平均年収400万円の生活であれば資産1億円
20歳代である平均年収300万円の生活であれば資産7500万円
あれば、リーンFIREを達成することができます。

7500万円の資産であれば、単純計算で
毎月20万円投資であれば20年
毎月30万円の投資が可能であれば、15年
で達成することができます。

「コーストFIRE」は、上のファットFIREやリーンFIREとは違い、FI：資産収入で生活を賄えているが RE：早期退職はしない考え方です。

裕福な暮らしを資産所得のみで送ることはできませんが、FIREまでの資金力と期間を大幅に減らすことができます。すぐに今の労働環境から卒業できるわけではありませんが、将来のお金からの束縛期間を減らすことができます、より現実性が増したのではないでしょうか。

サイドFIRE

セミリタイアの考え方に近いのが、この「サイドFIRE」です。

生活費の半分を資産収入から賄い、生活費の残りの半分と贅沢費を副業（サイドビジネス）をすることで経済的自由を得るライフスタイルです。

生活費の半分 もしくは 贅沢費 のみを稼げばいいので、本来やりたくないフルタイムの仕事から解放され、自分の好きなことを生業に出来ることが特徴です。仕事からは解放されませんが、自由働けるため、生活の質を向上することができます。

完全なFIREをするよりも、ハードルが低く、元々やりたいことがある方にはチャレンジできるようになる経済状態ですね。多くの方が現実的に達成するのが、このサイドFIREなのだと思います。

純粋に人のため社会のための仕事をすることができます。
働く目的を大きく変えてくれることから、第二の人生を歩むこともでき、本来の人間らしい生活を取り戻せるのではないでしょうか。

バリスタFIRE

バリスタFIREは、概念的には「サイドFIRE」と同じものです。
「バリスタFIRE」も、生活費の半分を資産所得で暮らし、残りの半分を労働から賄うことは同じですが、労働をパートタイムで補うことが、サイドFIREとの違いです。

サイドFIRE　：残りの生活費を副業（サイドビジネス）で稼ぐ
バリスタFIRE：残りの生活費をパートタイム（時短）で稼ぐ

雇われの労働から解放されことはできませんが、
副業を始めるハードルが高い人でも、まずはパートタイムで収入を確保していくことができることから、よりハードルを下げることができます。

サイドFIREの前段階として、バリスタFIREを挟む方も多いのではないでしょうか。
仕事をするという充実感と社会との繋がりを保ちつつ、FIREへ移行できるので、急激な生活の変化を緩和することができます。

日本ではあまり関係ありませんがアメリカでは、労働者の権利である健康保険に加入することを目的に働くことをやめない選択肢もあるので、サイドFIREではなくバリスタFIREも一定の支持率があるようです。
（日本では自営業でも国民健康保険があるため）

コーストFIRE

コーストFIREは、他のFIREとは違い労働するという環境は変わらないが、老後資産を事前に確保し終えた人のことを言います。

そのため、仕事は定年まで勤めますしフルタイムで今まで通り働くことには何も変わりません。しかし、投資等であらかじめ老後資金を確保しておき、老後までその資産に手を付けないことで、現在の労働収入を全て自分の生活費と利用できそれ以上の貯蓄をしない生活を送ることができます。

退職までの貯蓄をしなくてもよい利点があります。

老後2000万円問題がありましたが、60歳時点で2000万円を確保するためには
　20歳時点で、 300万円
　30歳時点で、 500万円
　40歳時点で、 800万円
　50歳時点で、1300万円
の投資資産を確保するだけで、老後2000万円問題を解決することができます。

将来の不安を無くして収入を自由に使える、または、将来の心配をせずに仕事に取り組むことができる状態は、ある意味新しい形のFIREであると思いますし、今後の人生を考える上で第一の資産形成の目標に出来るFIREの形なのではないでしょうか。

まとめ：FIREには大きく5種類ある

FIREの5つの種類について説明してきました。
ファットFIRE・リーンFIRE・サイドFIRE・バリスタFIRE・コーストFIRE
それぞれを必要な収入と生活水準でまとめました。

	生活費	贅沢費	生活水準
ファットFIRE			生活水準を維持可
リーンFIRE			倹約が前提
サイドFIRE			サイドビジネス次第
バリスタFIRE			パートの働き方次第
コーストFIRE			老後資金の確保のみ

サイドFIRE・バリスタFIRE・コーストFIREは、生活のための労働が引き続き必要ですが、今の労働の意味合いを変えてくれるパワーを持っていると思います。多くの人に実現性のあるバリスタFIREをまずは、目指して資産計画・資産形成をしてほしいと思います。

その後、余裕のある方は、リーンFIREやファットFIREを目指すのがいいのだと思います。

ぜひ、FIREの種類を知って、自分に合う目指すべき道を見つけてもらえれば嬉しいです。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
私もFIREを目指して資産形成に奮闘中です。ぜひ一緒にFIRE目指してかんばりましょう！

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