
こんにちは。
今日もお金の勉強をして資産形成をしていきましょう!
今回は、老後2000万円について、どのように備えていけばいいのか考えてみました。
本当に老後2000万円はクリティカルな問題なのか、資産形成の面から見てみましょう


お金に縛られない自由を求めて資産形成中の20代会社員が自身の経験をもとに、資産形成のノウハウやお金の知識について発信している著者が執筆しています。
・20代会社員
・社宅一人暮らし
・20代1500万円達成
・積立投資:持株会5万/オルカン30万
・高配当株や個別株を不定期にスポット買い
将来が心配、老後が心配と貯金をしている方も多いと思います。
特に、老後2000万円問題が取りざたされてから、国の施策への批判や投資熱の再燃など、社会的ムーブメントになりました。そんな老後資金についても、インフレを考慮するともっと必要と言われたり、実はある程度の投資をしていれば問題ないなどライフマネープランの考え方に対立が生じる大きな問題です。
今回は、そんな老後資金について、今の私たちはどう備えていけばいいのか解説していきます。
老後2000万円問題とは
金融庁が2019年に公開した報告書「市場ワーキング・グループ」での資産で提示されたのが、老後2000万円問題の発端です。この報告書の中では、老後資金の収支について調査がされており、平均的な支出に対して平均的な収入(年金)が約5万円不足しており、老後30年を暮らしていくうえで単純計算で2000万円を取り崩す必要がありますという報告が記載がされました。
そのような内容に対して、当時の麻生大臣が記載内容が不適切だとして、報告書の受け取りを拒否するなど、マスコミにも大きく報道されて社会的問題の一つとして話題となりました。
いまでは、この老後2000万円問題をきっかけに、投資活動に広げようとするような流れとなっており、投資へのハードルを越えさせる材料になったのは間違えありません。
また、近年では新しい試算として、老後3000万円問題として塗り替えられており、2019年時点に比べて平均的な老後の支出と収入の差がさらに広がっていることが分かります。
老後2000万円が提唱されてから、いい面でも悪い面でも物議を醸してきた訳ですが、それだけ老後へのお金の心配をしている人が多いのも確かです。
上がる税金・上がる物価・上がらない給料。そんな中での老後の資金が大きく足りませんと言われたら、何のためにたくさんの税金年金を払っているのか怒りが込み上げてくるのも当たり前でしょう。現に私もそうでした。
しかし、この逆境だからこそ、老後2000万円に隠された問題を見つめなおして、お金の自衛をしていく、そんな力の糧にしてもらえると嬉しいです。
お金に困らない老後を送るには
年金制度が破綻するなら、老後の資金は自分で作る。自分の将来は自分で作るにはどうしたらよいのか、一端をご紹介します。
本当に必要な老後のお金
実際に老後資金はいくらあればいいのか。
国の試算では2000万円ですが、あくまでも平均値から算出した金額であり皆さんに当てはめた金額ではありません。
実際に60歳時点での老後に必要な老後の資金や収支を確認してみましょう。
①老後の生活費
家計調査年報(家計収支編)2022年によると、「65歳以上の無職世帯の家計収支」が載っており2人世帯・単身世帯の消費支出が分かります。
高齢夫婦 | 高齢単身 | |
食費 | 67,776 | 37,485 |
住居 | 15,578 | 12,746 |
光熱水道費 | 22,611 | 14,704 |
生活用品 | 10,371 | 5,956 |
医療費 | 15,681 | 8,128 |
交通通信費 | 28,878 | 14,625 |
娯楽費 | 21,365 | 14,473 |
その他支出 | 54,436 | 35,022 |
税金等 | 31,812 | 12,356 |
(ゆとり費) | (120,000) | (80,000) |
合計支出総額 | (+120,000) | 268,508155,495 (+80,000) |
②公的年金の額
支出に対して、定年後の主な収入は年金となります。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると年金の給付額は以下のようになっていました。
平均老齢年金額 | |
国民年金(基礎年金) | 56,428 |
厚生年金(会社員) | 144,982 |
③足りない老後資金
あくまで平均なので自身の実情によって年金額や支出額の増減はあると思います。
一例として、夫婦世帯は「夫:会社員、妻:専業主婦」、単身世帯は「会社員」であるとして、年金受給を計算しています。収入・支出ともに、自分の生活に合わせて微調整してみてください。
高齢夫婦 | 高齢単身 | |
年金収入 | 257,838 | 201,410 |
支出 (ゆとり費) | 268,508 (+120,000) | 155,495 (+80,000) |
(ゆとり費込) | 差額(△130,670) | △10,670+45,915 (△34,085) |
このことから、単身のサラリーマンで独身貴族でない限りは、年金からの収入だけでは生活を賄うことはできないことが分かります。それに加えて、ゆとりある老後生活を送ろうとすると、単身・夫婦関わらず大幅な赤字になることが分かりました。
もし、60歳(65歳)から人生100年時代を生きようとすると、およそ30年間の赤字を補う必要があります。
ゆとりある生活を送ることを前提とすると、
高齢夫婦世帯では、4700万円の老後資金を準備する必要があり、
高齢単身世帯では、1200万円の老後資金を準備しなければいけません。
これからわかる通り、国が算出した老後2000万円問題は大きくずれてはいないどころか、ゆとりある生活を送るには足りないくらいであることが読み取れます。
老後資金の準備をしないと、逆に毎月必要最低限の生活しか年金では保証されないということです。
年金制度が良い悪いを置いといて、自分の老後の将来のために、今のうちから老後資金を蓄えておくことはとても大切なことであると思います。
若いうちから備えれば2000万円も要らない
では、老後2000万円を用意するために、30代40代のうちから2000万円を蓄えておく必要があるのでしょうか。
結論を言えばそうではありません。
若いうちから投資の力を活用して、積み立てることで、少ない資産でも老後の備えを十分にすることができます。
実際にいつまでにいくら必要なのか見ていきましょう。
①資産一括を用意して老後まで運用する場合
一括の資産を用意してそれを投資する場合についてです。
投資の期待利回りにもよりますが、堅実に考えて3%の利回りで運用するとしても、20代30代で老後資金をつくることができれば、数百万円の元手資金のみで老後資金を用意することができます。その後の積立は必要ありません。
若ければ若いほど、必要な資金は小さくなり、有利に老後への備えをすることができます。
利回り | 20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 |
7% | 134万円 | 263万円 | 517万円 | 1,017万円 | 2,000万円 |
5% | 284万円 | 463万円 | 754万円 | 1,228万円 | 2,000万円 |
3% | 613万円 | 824万円 | 1,107万円 | 1,488万円 | 2,000万円 |
②老後まで毎月積み立てる場合
毎月の積立で、老後資金を用意する場合はこのようになります。
20歳から始めれば、利回り7%だとたったの9千円だけの積み立てを続けるだけで、老後2000万円は解決します。老齢保険のような保険に加入しなくとも、自分自身の資産運用で十分自分の将来を保証することができますね。
30代40代であっても、月5万円の積み立てを続けるだけで良いので、だいぶハードルは低く見えるのではないでしょうか。積立と資産運用(投資)の相性の良さが分かると思いますし、ぜひ早くから取り組んでほしいと思います。
利回り | 20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 55歳 |
7% | 0.9万円 | 1.7万円 | 4.0万円 | 11.7万円 | 28.0万円 |
5% | 1.4万円 | 2.5万円 | 5.0万円 | 13.0万円 | 29.4万円 |
3% | 2.2万円 | 3.5万円 | 6.2万円 | 14.4万円 | 30.9万円 |
コーストFIRE
このように老後資金をあらかじめ用意するようなことを「コーストFIRE」と言われることもあります。
事前に老後資金を蓄えられれば、老後のための貯蓄をしなくてもよくなり、その分自由にお金を使えるようになります。その自由、老後への自由がまさに経済的自立FIなのです。
老後への備えは、誰もがいつかは直面しなければならない問題になってきます。
どうせなら、早いうちに若いうちに老後への心配をしなくてもよいようにお金の備えをしておくのが良いと思いますし、比較的ハードルの低いコーストFIREをぜひ目指してみませんか?
他にもFIREには種類がありますが、詳しく紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。


まとめ:老後資金の備えは若いうちから取り組めば怖くない!
今回は、「老後2000万円問題」について解説し、将来の備えについて考えてきました。
国の高齢者支出調査によると、退職後に必要な生活費の全てを年金で補うことはできないことが分かりました。
平均的な収支でゆとりのある退職生活を送るためには、夫婦で約4700万円の資金が足りない恐れがあります。多少切り詰めたとしても、老後に2000万円は自身で用意しなければならないかもしれません。
そのためには、若いうちからの備えが大切です。
もし30歳で500万円を用意して運用することができれば、60歳時点で2000万円を投資収益で得ることができます。
また、月2.5万円を積立投資するだけで、老後2000万円を解決することができます。
60歳になってから、いきなり老後資金2000万円を用意するには現実的ではないかもしれませんが、若いうちから自身の将来のために少しのリソースを割くことができれば、老後の蓄えを十分にすることができます。
今では「コーストFIRE」とも言われますが、早くから行動することを意識して、ゆとりある老後生活を送れるように準備していきたいものです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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